今回は、ガスが完全になくなってしまった家庭用エアコンの、ガス補充(ガスチャージ)の方法を紹介します。
エアコンに詳しくない人にとっては少し難易度が高い作業になりますが、DIYが得意な人にとっては自分でやることも可能かと思います。
ちなみに先に話しておきますが、ガスが完全になくなってしまった場合は下のような真空ポンプが必要になってきます↓
1万円以上はしますので、業者に修理を依頼した方がコストは安くすむかもしれません。
ただ購入してやってみたい人もいるかもしれませんので、真空ポンプを使ったガスチャージの方法を解説していきます。
※この記事はエアコンの冷媒ガスが0の状態でのガス補充の方法です。
久しぶりにエアコンを使用したら、ガスは全部抜けていないようだけど冷えが悪い。
そのような状態の場合は、エアコンガスのつぎたしに挑戦してみるのもありかもしれません。
ガスの継ぎ足しだったら、真空ポンプは必要ありません。
つぎたし方法は下の記事で解説しています↓↓
【追加でガスを入れる】冷えない(効かない)エアコンのガス補充の方法
エアコンが冷えない原因はガス漏れ以外にあるかもしれません。お時間ある方は下の記事もお読みください↓
エアコンのガス補充の方法 R410 R32
- ガスが空の状態か確認する
- 冷媒量の確認
- マニホールドの接続
- 真空引きをする
- ガス補充
- 動作のチェック
ガスがまったくない状態か確認
まずは現在の状況を確認します。
ガスが入っている状態だと、この後に行う真空引きができませんので、まずは室外機の中にガスが入っているか確認します。
室外機と銅管が接続されていない状態の場合
現在室外機と銅管が接続されていない場合は、高圧バルブを開けてみてガスが吹き出るか確認します。
バルブを閉めるには時計回りに回せばOK。
バルブを開けるには時計回りの逆で六角レンチを使って回します。
バルブが閉まっている場合は、バルブを開けてみてガスが吹き出るか確認します。
銅管が接続されていない状態で、六角レンチで時計回りの逆方向に回して、ガスが吹き出なければ空の状態です。
ガスが入っていると「シュー」っと音を出しながら吹き出ます。
ガスが中途半端に入っていると、この後の真空引きなどの作業はできませんので、入っている場合は空にしてから作業を行います。
銅管が接続されている状態の場合
現在銅管が接続されている状態の場合は、室外機との接続部分をモンキーレンチで緩めてガスが吹き出るか確認するか、
マニホールドを接続する部分をドライバーで押してみてガスが吹き出るのであればガスはまだ残っている状態です。
銅管を緩めてガスを全部放出しましょう。ほんとう環境破壊につながるのでガスを外に出すのはよくありません。
ガスを継ぎ足す方法もありますが、どれくらいガスを継ぎ足せばいいのか測ることができないので、基本はガスの継ぎ足しといのは良くありません。
ガスの継ぎ足し方法は下の記事で解説しています↓↓
それとガスが減っているということは、どこかに漏れている場所あるということです。
漏れを改善しないで、継ぎ足しして冷えるようになっても、時間が経過すると漏れてしまうので、結局また冷えなくなってしまいます。
もしガス漏れの場所を特定できているのなら、改善させてから真空引きを行い、ガス補充を行いましょう。ガス漏れで多い場所は、銅管の接続部分です。フレア加工のやり直しをして、繋ぎ直せば改善できる場合もあります。
フレア加工のやり方については下の記事で解説しています↓↓
室内機と室外機を銅管で接続
銅管が接続されていない状態の場合は、銅管の接続から行います。
室内機と室外機を銅管で接続しましょう。
室内機は背板をちゃんと使用して、立てかけるか、台の上などに載せて、立てかけても大丈夫です。
上の画像は、背板をコンパネみたいな板に取り付け、立てかけています。
銅管の接続部分は、エアコンの取り付け専用のトルクレンチを使用して、接続したほうがいいです。
トルクレンチを使用すれば、ネジをちょうど良い強さで締めることができます。
室外機側もトルクレンチを使用したほうが、安心です。
ルームエアコンの冷媒量の確認
ルームエアコンの冷媒量はエアコンごとに適正な量が違います。
冷媒とは、エアコンのガスのことで、適正量が室外機の側面に記載されています。
上の画像をご覧いただくとわかると思いますが、このエアコンだと、「冷媒量880g」というのが適正な量だということがわかります。
真空引きの方法
ガス(冷媒)を注入する前に、真空引きという作業を必ずします。
エアコンの室外機、室内機、銅管内、すべてを真空状態にする作業です。
室内機と室外機の銅管がきちんと接続されているか確認し、高圧、低圧のバルブ両方が開いてるのを確認します。
マニホールドを接続
マニホールドを接続して真空引きを始めます。
室内機、室外機全てを真空状態にするには、1時間ぐらい、真空引きをする必要があります。
1時間が経過して、真空状態になったら、先にマニホールドのバルブを閉めてから、真空ポンプを止めます。
その後30分放置して、マニホールドのゲージが戻らないのが確認できたら完了です。
マニホールドの接続と、真空引きのやり方は下のリンク先の記事で詳しく解説しています。
>>【エアコンの真空引きの手順】真空ポンプを使用してエアパージをする方法
R410 R32ガスのチャージ
ガスの補充は、必ず測りを使用していれていきます。
R410またはR32のガスボンベをはかりの上にのせ、現在の量りの針の位置を確認してから、マニホールをチャージの方へバルブをまわして、ガスを入れていきます。
7割程度ガスの注入が終わったら、今度はエアコンを運転しながら、ガスを入れていきます。
エアコン運転しながら、ガスを入れる時の注意点としては、量りの針の位置がまだだと思って勢いよく入れてしまうと、入れすぎてしまうことがよくあります。
必ず少しずつ、バルブを開閉しながら入れていきます。
温度、ガス圧の計測
最後に、温度の計測と、ガスの圧力を計測して正常な値か確認します。
温度は室内機の吹き出し口あたりを、計測して外気から-10℃以上、下がる事を確認します。
ガス圧に関しては、外気の温度、などによって変化します。
目安としては夏場の外気が20℃以上ある場合は0.8~1.2
冬場10℃以下の場合は0.6~1.0ぐらいを目安にします。
寒い日でも0.6以下になる場合は、少しガスが少ないと考えてもいいかもしれません。
ただ量りを使って入れている場合は、極端に0.4しかあがらないとか、そんな場合以外は、そこまで気にしなくてもいいと思います。
最後に
エアコンのガス補充の方法は、詳しくない人にとってはかなり難しい作業になります。
そして間違った作業をしてしまうと、エアコンが壊れてしまったり、重大な事故になってしまう場合もあります。
ちなみにエアコンの冷媒ガスは、エアコン15台分ぐらいの量(ボンベ丸ごと)で販売しているので価格が15000円くらいして高いです。
真空ポンプを購入して、エアコンのガスも購入するとなると、かなりの金額になってしまいます。
こういう作業が好きでやりたいなら別ですが、道具を揃えるのにお金がかなりかかってしまうので、業者に修理の依頼をする方がいいと思います。
おすすめの業者は見積もり無料の「テイクサービス・エアコン」です。エアコンのトラブルでお悩みなら相談してみてはいかがでしょうか?
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